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1.不平均力はどのようなところで働きますか?
   


 管路の屈曲部、分岐部、末端の栓やバルブなどには、水圧によって管を動かそうとする力が働きます。この力を不平均力といい、下図の矢印の方向に働きます。そのためこのような場所には、コンクリートブロックなどによる防護か、離脱防止継手を用いることが必要になります。
 

2.配管図のHB、VB、CBとは何ですか?
   
曲管の向きを表す記号であり、次のような意味になります。

<H.B> [Horizontal Bend] <V.B> [Vertical Bend] <C.B> [Combination Bend]
管路の屈曲点で曲管を水平に設置する。
縦断勾配の変化点で曲管を垂直に設置する。
曲管を水平および垂直にも変化している屈曲点に設置する。
   

3.耐震継手の伸縮余裕代が有効長の±1%、離脱防止力が3DkNは、何を基準に設定されているのでしょうか?
   
地震によって発生する地盤ひずみは、地震の強さ、地盤の固有周期地震波の伝播速度から算出できます。

 例えば、軟弱な地盤想定し、地震動の加速度Aを4m/s2、地盤の固有周期Tを0.8S、地震波の伝播速度Vは100m/sとした場合、地盤のひずみεは、
ε=TA/2πV≒0.005
となり、約0.5%となります。埋設管の挙動が地盤の挙動とほぼ一致することから、地盤ひずみをすべて継手部で吸収するとし、かつ、余裕係数(安全率)を2として継手の伸縮量を有効長の±1%としました。
また、離脱防止力3DkN(D:呼び径(mm))は次のように決めました。地震時に継手に掛かる抜け出し力(F)は、次式で表せます。
F=μπDL/4

μ: 地震時における単位面積当たり摩擦力
D : 管外径(≒呼び径とする)
L : 地震波の波長

μ=10〜20kN/m2、L=100mとし、余裕(安全率)4〜2を見込んで、3DkNとしました。
   

4.配管時に水の流れ方向や施工方法に対して受口の向きは考慮する必要がありますか?
   
配管のしやすさには影響しますが、水を流すという管路の機能上は特に考慮する必要はありません。

 接合された継手部の内側を見ると、受口の奥と挿し口端部の胴付部に若干の隙間ができます。この隙間は、継手を真直ぐに接合した場合は極めて小さなものですが、曲げ配管を行うと曲がりの背中側が必ず少し開いています。管内の水の流速はせいぜい毎秒数m程度なので、この隙間に満たされている水が動くことはほとんどなく、管内を流れる水に対する影響は極めて小さいものといえます。しかも、この隙間は内側から見ると単なる凹部に過ぎず、受口の向きによって隙間の状態が大きく変わるわけではありません。したがって、受口の向きが水の流れ方向に影響を与えることはないといえます。
一般に傾斜配管や伏せ越し部などで管が斜めに配管される場合は、受口が上を向くようにして下から上に配管するほうが施工は容易ですが斜め配管の距離が短ければ、管を陸組みすることによって受口が下を向いた配管も可能です。
 したがって、これまで流れの向きと受口の向きを一致させたり、傾斜部で受口を上向きにするといったことが慣例的に行われてきた場合もありますが、特にその必要はないといえます。
   

5.異形管に直接継ぎ輪を接合しても良いのでしょうか?
   
異形管に継ぎ輪は直接接合するべきではありません。

 管の挿し口外径寸法には所定の許容差が決められており、この許容差範囲を満足する製品が出荷されています。切用管や小口径の直管であれば、受口のごく近傍を除いてほぼ管全長にわたってこの許容差が確保されていますが、異形管は直管と製造方法が異なるため、規格上挿し口先端から受口に挿し込まれる必要な範囲しかこの外径許容差が確保されていません。したがって、異形管の挿し口と継ぎ輪を接合すると、継ぎ輪は軸方向に自由にスライドできるため、施工時に少しずれるとこの許容差範囲をはずれたところで接合されることが有り得ます。この場合は管の寸法が確保されていないところで継手を接合することになるため、水密性は保証できなくなります。特に曲管の場合に継ぎ輪が曲管側にずれると接合部が曲管の屈曲部分にかかる場合があり、正しい接合ができなくなります。また、挿し受片落管で継ぎ輪が縮径部の方にずれた場合は、外径が小さいところで接合され漏水に至ることも考えられます。したがって、このような危険を避けるため、異形管に継ぎ輪を直接接合することは避けるべきです。

   

6.継ぎ輪を用いた場合の管路長の計算方法は?
   
接合形式によって計算方法が異なりますので注意が必要です。

 一般的な配管用として使用されるK形やT形の場合は、地震時や不同沈下などに対する挿し口の伸び出し余裕代をできるだけ多く確保するため、継ぎ輪内の挿し口同士の間隔は管の落とし込みができる最小限に施工することが重要です。従って、設計上は、継ぎ輪内の挿し口間隔はないものとして管の有効長から管路長を計算します。
 一方、U形の場合は、受口の中に押輪、ボルト、継ぎ棒がセットされるY寸法分の胴付寸法がありますので、継ぎ輪の場合はこのY寸法の2倍と中輪の幅を加えた寸法だけ挿し口の間隔が開きます。同様に、耐震管路用のS形、NS形、GX形継ぎ輪では、挿し口間に地震時の縮み代に相当する標準間隔(y1)を確保します。従って、いずれも管の有効長にこれらの挿し口間隔を加えて管路長を計算する必要があります。
 なお、これらの接合形式別、口径別の挿し口間隔については、日本ダクタイル鉄管協会発行の接合要領書などをご参照ください。
   

7.曲げ配管が必要な場合、許容曲げ角度一杯まで曲げて設計してもよいですか?
   
許容曲げ角度一杯までの曲げ配管は可能ですができる限り避けるようにし、適切な曲管を使用するようにしてください。

 ダクタイル鉄管の曲管の曲がり角度は最小でも 5° 5/8 までですので、それ以下の曲げ配管は直管の継手部で行います。ただし、設計段階から許容曲げ角度一杯まで曲げてしまうと、施工時の誤差や不同沈下などによる施工後の継手の屈曲を吸収する余裕が少なくなってしまいます。
また、継手を曲げると曲がりの外側の挿し口が伸び出すため、耐震性が低下することにもなります。このため、曲がり部には極力適切な曲管を使用するようにし、どうしても継手を曲げる必要がある場合は許容曲げ角度の二分の一程度までになるよう設計することが望ましく、このことは「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説(設計『パイプライン』)」(平成21年3月:農林水産省農村振興局整備部設計課)においても規定されています。
 なお、エンドユーザーの仕様書で設計時に許容される曲げ角度が設定されている場合もありますので、事前にご確認ください。
   

8.NS形やGX形管路において空気弁用のフランジ形T字管に接続する直管にライナは必要ですか?
   
必要です。

 NS形やGX形のフランジ付きT字管は異形管です。一般に、異形管の挿し口外径寸法は接続される直管の受口ののみ込み寸法に若干の余裕をみた範囲のみが正規の外径許容差を満足するように製作されています。このため、この範囲を外れた部分にゴム輪がくるような状態で直管を接続すると水密性が保証されません。NS形とGXI形の異形管挿し口の場合は、この外径寸法を保証している範囲が直管の受口にライナをセットした状態でののみ込み量あるいは異形管の受口ののみ込み量の範囲を想定して製作されていますので、ライナをセットせずに直管受口を接続すると所定の状態よりもさらに入り込んだ不適切な位置で接続される可能性があります。このため、水密性に問題が生じる可能性がありますので、フランジ付きT字管に限らず異形管の挿し口に接続される直管受口には必ずライナをセットするようにしてください。
   

9.配管図上でのダクタイル鉄管記号について教えてください。
   


配管図上でのダクタイル鉄管は、接合形式ごとに下表のような記号で表されます。
また、NS形、GX形、S50形の管路で、異形管まわりなど水圧による不平均力に耐えるよう管路を一体化する部分では、直管の受口にライナを装着する必要がありますが、その場合は記号の受口部分を黒く塗りつぶします。

   

10.フランジふたと栓はどのように使い分けるのですか?
   


 管路末端部には「栓(帽)」または「フランジふた」を接続して、管路末瑞の閉塞(以下、栓止めという)を行います。一般には通水・水圧試験時の利便性より、「栓(帽)」が使用されます。
 ただし、「栓(帽)」は最大使用静水頭が75mですので、それ以上の水圧が負荷される管路では、「フランジふた」を使用する必要があります。「フランジふた」につきましては、呼び圧力、10K・16K・20Kがあります。

 管路末端部(以下、管末部という)では何らかの方法で栓止めをしなければなりませんが、一般的には、通水・水圧試験時の利便性を考慮して、空気抜きおよび充水加圧用配管を接続可能なねじ孔を有する栓(NS形、GX形では帽)が使用されます。

<栓または帽による栓止め>
  次の栓および帽が規格化されています。

K形栓 呼び径75〜1500mm  (注)KF形受口にも適用可能
T形栓 呼び径75〜 250mm  
GX形帽 呼び径75〜 250mm  
NS形帽 呼び径75〜 450mm (注)一部の呼び径では栓も市販されている
NS形栓 呼び径500〜 1000mm  

 管末が受口の場合はそのまま栓が取り付けられますが、管末が挿し口の場合はそのまま帽を、または継ぎ輪や切管を接続して栓を取り付けることになります。また、上記のK、T、GX、NS形継手以外の管路では、管末部のみを上記の接合形式にする必要があります。

図1 管末が挿し口の場合の栓止め例

<フランジふたによる栓止め>
次の場合は、栓(帽)ではなく、フランジふたによる栓止めを行います。
1.静水頭が75mより高い場合
 栓(帽)の最大使用静水頭は75mであるため、これ以上の水圧が作用する管路ではフランジふたによる栓止めを行います。
2.呼び径1600以上の管路の場合
 栓の最大管径はK形の呼び径1500であるため、これ以上の管径では、管末部に短管1号、2号等を接続してフランジふたによる栓止めを行います。

図2 呼び径1600以上の大口径管の栓止め例

3.管末がフランジ継手(例:バルブ止め等)である場合
 直接フランジふたが取り付けられ、経済的です。
 ただし、管路延伸の計画がある場合や空気抜きなどを設置する必要がある場合は、短管1号(2号)+栓(帽)とすることもあります。
 なお、フランジふたには栓(帽)のような空気抜きおよび充水加圧用のねじ孔がないため、空気抜きなどを設置する必要がある場合は、管末の直前にフランジ付きT字管等を配置し、このフランジに排気管・充水加圧用管を取り付ける必要があります。
 なお、栓止めについては以下の点にご注意下さい。
1)不平均力による継手の抜け出し
 栓(帽)やフランジふたには水圧による大きな不平均力(=管断面積×水圧)が発生しますので、十分な不平均力対策が必要です。
 管末部の近傍に継ぎ輪や切管が配置されている場合は、十分な一体化長さが確保できているかどうか、特に注意して下さい。
2)栓(帽)やフランジふたの飛来による事故防止
 栓(帽)やフランジふたを取り外す場合には、十分に空気抜き作業を行ってから、取り外して下さい。空気抜きが不十分な場合は、栓(帽)やフランジふたの取り外し作業中に栓(帽)やフランジふたが飛ばされ死亡事故になることがあります。このため、取り外し作業中は必ず横に立って作業を進め、万一の際に備えて下さい。

   

11.片フランジ管などの異形管を切断して配管しても良いのでしょうか?
   
 管の外径には所定の寸法許容差がありますが、この許容差は接合性や水密性に影響を与える挿し口端部側の必要な範囲だけに規定されたものです。逆に言えば、この範囲以外の管の外径が許容差を満足していなくても製品規格上問題にはなりません。
 片フランジ管などの異形管の場合は、呼び径にもよりますが、寸法許容差を満足している挿し口端部側以外の外径が少し大きめに製作されている傾向があります。このため、異形管の切断はトラブルの原因となる可能性がありますので、切断して配管しないで下さい。

 
   

12.耐震管路で構造物との取合い部はどのように設計すれば良いのでしょうか?
   


 構造物の取合い部は地震時に構造物と地盤の間に大きな相対変位が生じるため、管路が被害を受ける可能性が高い箇所といえます。このため、下図に示すようにNS形、GX形、S形継ぎ輪を2個使用して想定変位量を吸収できるように設計します。

 この場合に吸収できる地盤変位量は次式で求まります。
 ここに、継手屈曲角は配管施工時の許容屈曲角で計算しており、設計時はこの範囲で検討することが望まれます。  

 δ1=Ltan2θ1
ここに、δ1
吸収可能な地盤変位量(設計時)
L
管長
θ1
配管施工時の許容屈曲角

 また、耐震継手は地震時には許容屈曲角よりもさらに大きな最大屈曲角まで曲がること ができます。このとき、最大の変位吸収量は次式より求めることができます。

 δ2=Ltan2θ2
ここに、δ2
吸収可能な地盤変位量(地震時)
L
管長
θ2
地震時に曲がり得る最大屈曲角

 なお、許容屈曲角と最大屈曲角については、日本ダクタイル鉄管協会発行の技術資料「NS形・S形ダクタイル鉄管管路の設計(JDPA T 35)」および「GX形ダクタイル鉄管管路の設計(JDPA T 57)」をご参照ください。

図 継ぎ輪による変位吸収状況

   

13.溝形フランジ(RF形−GF形)の施工管理はどのように行いますか?
   


 溝形フランジ(組み合わせ:RF形−GF形)は、使用するガスケットによりメタルタッチの場合とメタルタッチでない場合の二種類あり、それぞれ施工管理方法が違います。
 
1.メタルタッチの場合(GFガスケット1号を使用)

フランジ面間に1o厚のすきまゲージが入らないことを確認します。さらに、ボルトにゆるみがないことの確認として、すべてのボルトが60N・m以上のトルクであることを確認します。

 
 
2.メタルタッチでない場合(GFガスケッ2号を使用)
フランジ面間の間隔をすきまゲージにて円周4箇所測定し、その値が標準間隔の範囲内にあることを確認します。さらに、すべてのボルト・ナットが容易にゆるまないことを確認します。
標準間隔の範囲内にあることは、上限のすきまゲージが挿入できず、下限のすきまゲージが挿入できることにより確認します。
標準間隔については、下表を参照してください。
   
 
表1 メタルタッチでない溝形フランジの標準間隔
 
単位:mm
 
呼び径
標準間隔
下限
上限
75〜900
3.5
4.5
1000〜1500
4.5
6.0
1600〜2400
6.0
8.0
2600
7.5
9.5
   
 
   
   

14.どのような箇所にライナが必要ですか?
   


 NS形・GX形の異形管挿し口を接合する直管受口、および、一体化長さの範囲内にある直管挿し口・切管挿し口を接合する直管受口に必要です。
 
   

15.呼び径500以上のNS形で既設管と連絡する場合、どのような方法・注意点がありますか?
   


 呼び径500以上のNS形は1種類の管種(DS種)しかありません。また、挿し口がKF形・US形等の異種継手管はありません。具体的な連絡方法の例を下表に示します。
 なお、既設管接続部が必要一体化長さの範囲内であれば、別途、ライナ設置・離脱防止金具などによる防護を考慮する必要があります。
 
既設管接続部
接続管様態
モデル図
管  種
受口・挿し口
S形管
受口
直管を接合
乙切管を接合
挿し口
直管・甲切管を接合
KF(UF)形管
受口
直管・甲切管を接合
乙切管を接合
挿し口
直管・甲切管を接合
US形管
受口
直管・甲切管を接合
乙切管を接合
挿し口
直管・甲切管を接合
K(U)形管
受口
直管・甲切管を接合
乙切管を接合
挿し口
直管・甲切管を接合
既設管を切断
   

16.継ぎ輪はどのような箇所に使用しますか?
   


 継ぎ輪は両受口の異形管であり、一般に使用箇所は以下のケースになります。なお、耐震継手の継ぎ輪にはライナがありませんので、耐震管路の場合は一体化長さの範囲外で使用します。やむをえず一体化長さの範囲内で使用する場合は、市販の継ぎ輪用離脱防止金具を用います(NS形呼び径75〜1000)。
 また、異形管の挿し口に継ぎ輪を接合すべきではありません(接合要領書、施工編QA、設計編QA参照)。
 
 
   

17.パイプ・イン・パイプ工法用管(PN、PII)と他継手との接合はどのように行うのですか?
   


(1)パイプ・イン・パイプ工法用管(PN、PII)の呼び径300〜1100の管外径は、JIS G 3443(水輸送用塗覆装鋼管)の外径と同じであり、PN、PII形以外の他のダクタイル鉄管の外径とは異なります。受挿し短管を用いることにより、NS、S、K形など一般のダクタイル鉄管と接続が可能です。

 
(2)呼び径1200〜1500の管外径は、S、K形などと同じであるため、一般のダクタイル鉄管と直接接続が可能です。
 
(3)既設管が鋳鉄管で、外径がNS、S、K形などと同一の場合は、受挿し短管を介して一般の片落管を使用して接続します。
 
なお、詳細は、日本ダクタイル鉄管協会技術資料「ダクタイル鉄管によるパイプインパイプ工法 設計と施工、JDPA T 36」をご参照ください。(コチラからダウンロード可能です)
 
   
 
呼び径
管外径(mm)
パイプ・イン・パイプ工法用管
(PN、PII形)
一般のダクタイル鉄管
(NS、S、K形など)
D'2
D2
300
318.5
322.8
350
355.6
374.0
400
406.4
425.6
500
508.0
528.0
600
609.6
630.8
700
711.2
733.0
800
812.8
836.0
900
914.4
939.0
1000
1016.0
1041.0
1100
1117.6
1144.0
1200
1246.0
1350
1400.0
1500
1554.0
   

18.NS形挿し口加工をタッピンねじで行う際、切管長の算出方法を教えてください。
   
 呼び径75〜450のタッピンねじタイプの切管用挿し口リング(継ぎ輪接合用を除く)を取り付けると下図のように管の有効長が10mm長くなります(リベットタイプの挿し口リングを使用した切管に比べて)。そのため管切断位置は、有効長から10mm差し引いた位置とします。
   
   

19.管路の一体化長さの合計はどの程度まで良いのですか?また、長くなりすぎたときの対策はどうしたら良いですか?
   
 管路の一体化長さの合計は、最大50mとしています。もし、50mを超える場合には防護コンクリートを併用して一体化長さを短くすることを検討します。
 参考までにいくつかの事例を示します。
  (1)一体化長さを短くするために防護コンクリートを併用する場合
 
図1 一体化部に防護コンクリートを併用した場合
   
  (2)複雑な管路で一体化長さが重なるのを防ぐため、異形管部の不平均力を防護コンクリートで保持する場合
 
 
図2 複雑な管路における防護コンクリートの適用例
   
  (3)構造物の近傍に曲管部が配置されて、構造物周りがすべて離脱防止継手となることを防ぐため、継ぎ輪を2個使用して変位吸収性を高め、なおかつ、不平均力対策として防護コンクリートを設置する場合
 
 
図3 構造物近傍の曲管部に防護コンクリートを設置した例

20.RF形フランジとGF形フランジの使い分けと選定方法および締め付けトルクについて教えて下さい。
   
1.RF形フランジとGF形フランジの使い分けについて
フランジ継手接合には、RF形−RF形(大平面座形)とRF形(大平面座形)−GF形(溝形)が規定されており、使用水圧によって使い分けします。
 
表1  使用水圧と継手組み合わせ
呼び圧力
継手の組合せ
適用呼び径
最高使用圧力
(MPa)
7.5K(0.75MPa用)
RF形−RF形
75〜600
1.3 1)
RF形−GF形
75〜2600
10K(1.0MPa用)
RF形−GF形
75〜2600
1.4
16K(1.6MPa用)
RF形−GF形
75〜1500
2.2
20K(2.0MPa用)
RF形−GF形
75〜900
2.8
  備考 1.呼び圧力7.5Kフランジの最高使用圧力1.3MPaは静水頭75m+水撃水頭55mとする。
   
  (社)日本水道協会 水道施設耐震工法指針・解説(2009年度版 各論頁37)には、耐震性の面から水密性に優れたRF形−GF形の組み合わせが望ましいと記載されています。
  2.フランジの選定方法について
 フランジの選定は、一般的には最高使用圧力を設計水圧(静水圧+水撃圧)として行います。
(選定例)
1.静水圧0.75MPa、水撃圧0.55MPaの場合、設計水圧1.3MPaとなるため7.5Kフランジを選定。
2.静水圧0.8MPa、水撃圧0.55MPaの場合、設計水圧1.35MPaとなるため10Kフランジを選定。
   
  使用するガスケットは、下図に示すように、RF形−RF形の組み合わせにおいては、RF形ガスケットを用います。また、RF形−GF形の組み合わせにおいては、GF形ガスケット1号(メタルタッチの場合)、またはGF形ガスケット2号(メタルタッチでない場合)を用います。
 
   
  3.締め付けトルクについて
1)大平面座形(RF形−RF形)
RF形ガスケットを均等に圧縮し水密性を確保するために締め付けトルクで管理します。
呼び径75〜600ボルト標準締め付けトルクを表2に示します。
   
 
表2  大平面座形フランジのボルト標準締め付けトルク
 
呼び径
ボルトの呼び
標準締め付けトルク
(N・m)
75〜200
M16
60
250・300
M20
90
350・400
M22
120
450〜600
M24
260
   
  呼び径700以上については、ボルト締め付けトルクが大きくトルク管理をするには特殊なトルクレンチが必要となります。また、呼び径が大きくなると片締めが起こりやすくガスケットの均等な圧縮には十分な注意が必要であることから、当協会では、RF形−GF形の組み合わせの使用を推奨しています。
ただし、既設継手への接合などで、やむを得ずRF形−RF形の接合を行う場合には、表3に示す締め付けトルクを参考として下さい。
   
 
表3  大平面座形フランジのボルト締め付けトルク(参考値)
 
呼び径
ボルトの呼び
標準締め付けトルク
(N・m)
700〜1200
M30
570
1350・1500
M36
900※
                                                                        ※平成25年2月の接合要領書改訂において数値を変更
   
              表2、3に示す標準締め付けトルクは、水密性確保の観点から、ねじ部の摩擦係数が比較的大きいボルトを用いる場合の値
            とした。焼き付き防止剤等が施されたボルトを使用するときの締め付けトルクは、接合要領書をご覧下さい。
   
  呼び径1600以上の場合には、さらにボルト締め付けトルクが大きくなるためトルク管理ができない場合もあることから、当協会では、RF形−GF形の組み合わせの使用を推奨しています。
   
  2)溝形(RF形−GF形) メタルタッチの場合
基本的にフランジ面間の隙間管理になりますが、更に60N・m以上の締め付けトルク管理も行います。
   
  3)溝形(RF形−GF形) メタルタッチでない場合
基本的にフランジ面間の隙間管理になりますが、すべてのボルトが容易にゆるまないことの確認を行います。
   
  なお、実際の接合に当たっては、当協会発行「フランジ形ダクタイル鉄管 接合要領書」をご覧下さい。(コチラよりダウンロードが可能です。)
   
   

21.露出配管の防護はどのようにすれば良いですか?
   
埋設配管では、水圧による不平均力対策として、管と土の摩擦や受働土圧を考慮し一体化長さの確保やコンクリート防護などを行います。
一方、埋設配管の一部が露出した場合の露出配管では、管と土の摩擦や受働土圧が期待できないため、下記のような不平均力対策が必要となります。
   
水圧による不平均力により異形管部が動かないように、露出している全ての異形管部において不平均力が作用する箇所には、防護コンクリートや固定バンドなどを用いて不平均力対策を行います。
なお、埋設部においても不平均力が作用する箇所には、一体化長さ等の防護が別途必要です。
   
 
 
図1 露出部の異形管を防護する場合の配管例
   
 
 
図2 露出部異形管の防護例
   
  <留意事項>
露出配管を行う場合、GX形等の耐震管であれば全ての直管受口にライナを入れて管路を一体化しますが、継手が真直に配管されていなかった状態で不平均力が作用した場合、異形管が移動したり管路が蛇行したりする恐れがあります。
そのため、市販の固定金具を用いて継手部を固定する等の対策を施すことを推奨します。
   

22.呼び径75〜300で土被りが0.6mより浅く埋設する場合の対策を教えて下さい。
   
土被りが0.6m以上の場合は路面荷重による上載荷重が分散し、等分布荷重として管に均等に作用します。しかし、土被りが0.6m未満では、路面荷重に対して、そのような効果が期待できないことから、コンクリートを巻き立てる等の防護策が必要となります。
   
コンクリートを巻き立てた場合の検討例
1.管軸方向の検討例
 
 
図1  縦断図
   
  上図のように、コンクリート全長を弾性床上の梁と考え、土被り、路面荷重による土圧によって生じる曲げモーメントに耐えられるような構造としてください。
この場合、外圧に対して管の強度は無視した考え方となります。
   
  2.断面方向の検討例
 
 
図2  断面図
   
  次式を満たす必要があります。
 
   
  この時も管体強度を無視しています。またコンクリート重量、管重量、水重に対する地耐力についても検討します。

23.GX形で乙字管を使用した場合、一体化長さ早見表が使えるのでしょうか?使えるのであれば、角度は何度で見るのでしょうか?
   
「GX形ダクタイル鉄管管路の設計」(JDPA T-57)4.5.2 曲管部およびT字管部乙字管(3)解説に記載されているように、乙字管を使用した場合、水圧や土被り等の適用条件を満たしていれば、一体化長さ早見表を使用することができます。乙字管の一体化長さは、45°曲管の一体化長さと同じ寸法にしてください。
   
(JDPA T-57 頁20より抜粋)
 
表  曲管部およびT字管部の一体化長さ
 
単位:m
 
呼び径
曲管部 1)
T字管部 2)
22.5°以下
22.5°を越え
45°以下
45°を越え
90°以下
設計水圧(MPa)
設計水圧(MPa)
設計水圧(MPa)
設計水圧(MPa)
0.75
1.3
0.75
1.3
0.75
1.3
0.75
1.3
75
1

1

1
1
1
4
1
1
100
5
150
4
6
6
200
8
250
2
6
11
2
7
  注1) 単独曲管部では曲管の両側に一体化長さを確保する。
  2) 枝管の呼び径で判断し、技管側に表中の一体化長さを砿保する。なお、本管側の一体化災さは呼び径に
    よらず両側とも1mとする。
  備考1) 表中の設計水圧は、0.75MPaは0.75MPa以下の場合、1.3MPaは0.75MPaを越え1.3MPa以下の場合に
      適用する。なお、設計水圧は静水圧と水撃圧を加えたものとする。
   2) ポリエチレンスリーブの有無に関わらず、上表の値を適用する。
   3) 曲管が2個以上の複合曲管部で90°を超え112.5°以下の角度であれば表11の45°を越え90°以下の
      曲管部の一体化長さをそのまま適用出来る。ただし、112.5°を超える角度については管端部の一体化
      長さを用いる。
   4) 本表の適用条件をJDPA T-57頁20表11に示す。
   
  (JDPA T-57 頁21より抜粋)
 
 
図  乙字管の一体化長さ
   

24.GX形継ぎ輪と両受短管の使い分けについて教えてください。
   
GX形異形管には継ぎ輪と両受短管が規格化されていますが、配管設計時の使い分けについて表1に示します。
 
表1 使用箇所の適応可否
項    目
継ぎ輪
両受短管
せめ配管(結び配管)
可 能
不 可 注1)
異形管挿し口との接合
不 可 注2)
可 能
一体化長さ範囲内への使用
可 能 注3)
   
  注1) 両受短管は内側に壁があり先行管に引き込む事ができないため、せめ配管を行なう事が出来ません。
 
 
図1  両受短管の場合
   
  注2) 継ぎ輪に異形管挿し口を接合することは、ゴム輪が異形管の正規の止水位置から外れてしまう場合や、
    地震時等で継ぎ輪が大きく移動した場合に、異形管の接合用フックと押輪が接触し破損の原因となるなど、
    不具合の原因となるため使用できません。
 
 
図2  異形管挿し口との接合
   
  注3) 継ぎ輪、および両受短管を一体化長さの範囲内に設置する場合、継手の伸縮および屈曲を防止するために
    G-Linkを用いることにより設置可能です。
 
 
図3  継ぎ輪の設置例

25.GX形でのポリエチレンスリーブの使い分けについて教えてください。
   
GX形にポリエチレンスリーブ法の併用が必要な箇所の判定法の一例を以下に示します。
  ポリエチレンスリーブの要否判定フローチャート
   
 
環境・条件
特殊
土壌環境
(自然環境)
強酸性土壌環境(注3)
@海成粘土相当層、A温泉地域、B泥炭地帯、
C強酸性の工場廃液による土壌汚染地域(注4)
強腐食性土壌環境
@ガラ等の廃棄物による埋立地
A(旧)炭鉱地帯
特殊条件
@鉄筋コンクリート構造物を貫通して出た埋設管(コンクリート/土壌系マクロセルに相当)
A電気防食設備設置付近の管(外部電源用電極設置箇所)
Bステンレス鋼管と電気的に接触し,異種金属接触腐食を生じる場合(注5)
   
  (注1)例えば40年以内に2回以上の腐食漏水事故が発生したことを目安とします。
(注2)kとは、腐食度予測式η=k・Tα(η:腐食深さ、T:埋設年数、α:定数)に示される係数であり、埋設環境の腐食
    性を表す値です。
(注3)強酸性とはpH値が4未満、又は過酸化水素水による強制酸化試験後のpH値が3以下のものです。
(注4)強酸性の工場廃液で汚染された土壌環境では、スリーブ法を併用しても効果がない場合があります。
(注5)ステンレス給水管の取り出し部は、「絶縁型サドル分水栓」を使用すればスリーブ法は不要です。また、
    ステンレス鋼管との接合部は「異種金属同士の絶縁対策」を実施すればスリーブ法は不要です。
  (備考)・既設の「GX管以外の従来管」との切管ユニット接合部分には、スリーブ法の併用が必要となります。
    ・管周囲を砂で埋め戻せば、埋設環境はさらに良好になります。

26.切管の最小寸法、最大寸法について。
   
1.切管の有効長の最小長さ
中小口径の場合、切管の有効長の最小長さは概ね1mとしています。これは現地での切管や解体作業がスムーズに行える寸法として設定されています。しかし、実際の施工現場では1m以下の切管がどうしても必要になる場合が有ります。ここではそのような場合の参考となるように、NS形・GX形管の切管や解体作業が可能なぎりぎりの最小長さを示します。
 
単位:mm
呼び径
GX形
NS形
切管ユニットを使用する場合
切管用挿し口リングを使用する場合
甲切管
乙切管
甲切管
乙切管
甲切管
乙切管
75
660
770
700
770
800
810
100
660
770
720
770
810
820
150
680
770
740
770
840
860
200
680
770
740
770
840
860
250
680
770
740
770
840
860
300
720
820
760
820
960
1000
350
970
1010
400
970
1020
970
1020
450
980
1020
500
910
1010
600
920
1020
700
950
1120
800
960
1140
900
970
1150
1000
1090
1150
 

備考 1)GX形は、切管加工をエンジンカッターで行う場合について示した。
    2)NS形は、切管、溝切 、 挿し口テーパ加工をパイプ切削切断機で行う場合について示した。
    3)各寸法は、管の切断、継手の接合、継手の解体に必要な最小寸法を各々算出し、それらのうち最も長い値を示した。なお、GX形のP-Linkの有効長は含んでい
      ない。
    4)呼び径300以上については、切用管(受口端面から約500mm離れた管全周に幅約50mmの白線を表示)を使用する必要がある。
    5)切断部の外径または外周長を実測し、外径許容差を満足していることを確認する必要がある。
    6)本寸法は継ぎ輪の預け代を考慮していない。そのような配管(せめ配管)を行う場合の切管寸法は、別途検討する必要がある。

 

   
  2.切管の有効長の最大長さ
最小長さと同様に、NS形・GX形を例として切管の最大長さについて記述します。
甲切管の最大長さは、パイプ切削切断機と専用工具の施工により異なりますが、有効長から200mmを差し引いた長さであれば、切断機の種類に関わらず施工が可能です。
乙切管の最大長さは、呼び径75〜250以下の場合は有効長から500mmを差し引いた長さ、呼び径300〜1000の場合は有効長から1000mmを差し引いた長さとしています。
管路の設計上ではこれらの長さを確保して下さい。
 
 
呼び径
甲切管
乙切管
75〜250
有効長−200mm
有効長−500mm
300〜1000
有効長−200mm
有効長−1000mm
   
  しかし、実際の施工現場ではこれ以上長い管が必用になるケースも考えられます。その場合は、切断機の設置の可否、外径許容差が満足しているかどうかを良く確認の上、切管を行って下さい。
   
  3.切管の留意点
呼び径300以上を切管する場合は切用管を使用して下さい。切用管には、受口端面から約500mm離れたところに管全周に幅約50mmの白線が表示しています。呼び径 250以下は全数が切用管です。
なお、切用管がない場合は切管部の外周長、外径を測定し、所定の寸法範囲内(接合要領書等に記載)にあることを確認して下さい。

27.GX形のP-LinkとG-Linkを使用する場合の切管長さの考え方を教えてくたさい。
   
GX形切管ユニットを使用する場合の切管長さの考え方を以下に示します。
 
@G-Linkを使用する場合
G-Linkを使用する場合の切管の有効長は、図1に示すように接合状態における挿し口端部間の長さです。甲切管では有効長のなかに受口内の標準胴付寸法(Y)が含まれており、切管をする場合はY寸法を含めた管長になるように管を切断します。
 
 
図1  甲切管の有効長(G-Linkを使用)
   
  AP-Linkを使用する場合
P-Linkを使用する場合の切管の有効長は、図2に示すように接合状態における挿し口端部間の長さからP-Linkの有効長を引いた長さです(表1参照)。また、甲切管では有効長のなかに受口内の標準胴付寸法が含まれており、切管をする場合はY寸法を含めた管長になるように管を切断します。
 
 
図2  甲切管の有効長(P-Linkを使用)
 
 
表1  P-Link使用による伸び量
 
呼び径
P-Linkの有効長(mm)
P-Linkによる伸び量(mm)
75
180
17
100
180
20
150
210
23
200
220
22
250
220
23
300
267
20
   
  【寸法記入例】
呼び径200GX形における配管設計時の寸法記入例を図3に示します。
P-Linkを使用する場合には、以下のように切管の有効長を算出します。
  L=甲切管有効長−(P-Linkの有効長)
   =4909mm-220mm=4689mm
 
 
図3  寸法記入例

28.パイプ・イン・パイプ工法用管(PN、PII)とGX形との接合はどのように行うのですか?
   
呼び径300・400ではGX形とNS形の挿し口形状は同じであるため、GX形とNS形と直接接続が可能です。パイプ・イン・パイプ工法用管(PN、PII)と呼び径300・400GX形との接合は、下図に示すとおりPN-NS形受挿し短管をご使用ください。
   
   



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